TEMモードのマイクロ波を印加された同軸導波管に接続された円形グランド板付きモノポールアンテナからの電磁波放射の様子を、Electro-Magnetica v.1.5.0でシミュレーションしました。

このモデルに関して鍵となるのは、TEMモードでの電磁波印加と、入力信号と出力信号の分離(Sパラメータ導出のため)、そして同軸導波管から出ていく信号を数値的にアッテネート(無反射境界)することです。EM v.1.5.0からこの入力モデルが新たに信号入力に追加されました。

model2今回デモとして用いたのはモノポールアンテナです。model1アンテナはz軸(緑)方向へ向き、円形グランド板はx軸(赤)y軸(黄)上にあります。モノポールのアンテナは、この図だとz軸に隠れて見えませんが、円板から10cm同軸導波管の軸がそのまま飛び出ている構造をしています。

また、同軸導波管の固有モードであるTEMモードを印加するポートは赤い半透明の円板で表示しています(右図)。シミュレータの中でこのポートの固有モードを導出し、信号を入力し、またこのポートから出ていく信号を計算し、さらにこのポートから出ていく信号を数値的にアッテネートします。これによって、このポートでのSパラメータを正確に導出することができます。

Sパラメータを導出するためには、「電圧」を定義する必要がありますが、我々はGwarekが提案した電圧定義を用いました。もちろん、本モデルではTEMモードなので電圧は定義できるのですが、より一般的な定義を採用しました。

この動画は、TEMモードをガウス型インパルスで印加した際の電場強度の等値面の時間変化を示しています。信号が入力ポートから印加され、そこからアンテナに導かれ、放射して、また反射してきた成分がポートに吸収されていく様子がわかります。円板の下側に潜り込んだ信号成分が残っていたのも最後には放射されて無くなっていきました。

下左の図は、数値シミュレーションで得られた、TEMポートでのS11を図示したものです。モノポールの長さは0.1メートルなので、λ/4=0.75Ghz, 3λ/4 = 2.25GHzとなります。また、左の図は、それぞれの周波数における、z-x平面内での放射特性を示しています。

s11225ghz-zx075ghz-zx

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