ここでは、Cavity Back Slot Antennaの数値解析例をご紹介いたします。


The perspective view of the model. The right one is a view of clipped off at xy plane.

このアンテナは共鳴ボックス(Cavity)のなかにモノポールアンテナを配置し、CavityにSlotを開けてそこから放射させる、マイクロ波帯の無線通信に使われているデバイスです(Omiya et. al (1998))。Cavity内部にモノポールがあるような構造ですので、一般的な不等間隔直交格子では必要な部分に細かい格子を集中させようとすると、全領域にその細かい格子を強制されてしまうため、計算機のメモリに関して非常に不経済になります。

我々の開発したBlocked Cells Adaptive Mesh 法では、必要な部分にのみ計算格子を集中させるので計算メモリが非常に少なくて済むメリットがあります。

今回、モデリング方法として、スロットを含めたキャビティ部分をCADで作成し、Stereo Lithography Data (STL)ファイルとして用意し、モノポールアンテナはEMに組み込まれた簡易CADツールで作成しました。これらのデータは添付ファイルとして提供されています。

Electro Magneticaを立ち上げ、添付アーカイブにある AT_Cavity_Slot.em3をEMのメニューバーのOpen Fileから選択し読み込みます。

すると右の図のような画面が3D Viewに表示されます。図中の右側のように内部をご覧になりたい場合、View Tabからy方向クリッピングボタンを押下することによってご覧になれます。

以上の手順によって数値解析の準備が整いました。次に、Control Tabでメッシュ生成のレベルを、3-5などに設定し、メッシュを自動生成させます。

計算格子が生成され、必要なデータが全てそろいましたので、シミュレーションを開始する準備がこれで整いました。非常に簡単でしょう?

Control Tabのスタートボタンを左マウスボタンでクリックし、シミュレーションを開始させます。このシミュレーションは非常に時間がかかります。i7で数日かかります。

解析が終了し、View Tab画面に映り、表示メニューからRCSを選択し、表示させたい周波数(2.45GHz)をプルダウンメニューから選択します。そして、Update Dataボタンを左クリックすると下のような図が表示されます。これは放射パターンを3D表示させた物です。


3D view of RCS Antenna Pattern

このデータを外部ファイルに保存する場合、同じView Tab画面下にあるRCSメニューの中から、Save Fileボタンを押下すると、ファイルに保存することが出来ます。この出力されたデータファイルを用いて、GNUPLOTで表示させたのが、一番下の図です。これらの図は、論文中のデータとよく一致しています。

dB view of RCS Antenna Pattern in xy-plane and zx-plane.

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