準静磁気学的問題

モデルの作成

静電モデルの例は2次元だったが、ここでは3次元モデルを扱う。 今回のモデルは、単純な形状をしているので、Gmshのモデラで作成していく。 3次元形状を作成するとき、対称性などを用いると簡単に作成できる場合がある。 今回は軸対象であるが、2次元の円から「押し出し(Extrude)」を用いる。

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Tree-Cotree gauge

解析対象の空間を離散化されたメッシュ上のノード点において、離散数学のグラフ理論でそれらをTree [木]とCotree [補木]とに分け、木に含まれるエッジ要素を消去し、補木のエッジ要素のみにして解析をする方法が提唱された[1]。 この方法によって連立一次方程式の自由度が大きく減らすことができる。一方、CG法などの収束性がよくないという問題も生じている。 ただこの収束性は木の作り方によって異なるらしい。

Gmshでは、このTree GaugeのためのTree構造を自動的に作成してくれる機能が組み込まれている。 実際、OneLabサイトにあるほとんどのGauging例がこれを用いている。 

 

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渦電流モデル

ここでは出来るだけ単純なモデルを考える。 シナリオとして、与えられた電流から誘導された磁場が、近くに配置された導体に誘導電流、つまり渦電流を発生させるというものを考える。 図78にモデルの3次元図を示す。

Figure 7: 渦電流モデル。3次元俯瞰図。電流が流れるチューブ領域の中に強磁性体であるコアがあり、その先に渦電流が流れるプレートがある。
Eddy Current Model - Perspective View

準定常磁気学条件下では、基本的なMaxwell方程式から、いわゆる変位電流項が無視された方程式を支配方程式とする。 つまり、

\begin{eqnarray} \nabla \times \frac{1}{\mu} \vec{B} = \sigma \vec{E} + \vec{J}_s, \tag{5}\\ \frac{\partial \vec{B} }{\partial t} + \nabla \times E = 0, \tag{6} \\ \nabla \cdot \vec{B} = 0 \tag{7}, \\ \nabla \cdot \vec{J} = 0, \tag{8} \end{eqnarray}

である。 ここで、$\vec{B},\vec{E},\sigma, \mu, \vec{J}_s$はそれぞれ、磁束密度、電場、導電率、透磁率、電流密度である。

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