Molecula Numericaは分子動力学のシミュレータです。

分子動力学とは、分子間に働く力を逐次求めて、分子の回転や、運動の様子を計算機によってシミュレートし、物質の全体としての様子を計算機の中に再現するものです。一般的に分子間に働く力は、たくさんの研究者が試行錯誤の結果モデル化されているものを用いています。

分子間に働く力は、厳密には原子核の周りの電子に大きく影響を受け、また電子そのものも周りの影響を受けるものです。そのため、分子間の力を厳密に求めるには、電子の状態を求めなければなりません。その計算は膨大なもので、現在のハイエンドコンピュータですら、たくさんの分子を扱おうとすると計算能力が足らないと言わざるを得ないほどです。

分子動力学では、この分子間力を固定されたモデルを用いる事によって、実用的な規模の分子数で計算できるようになっています。

この力場モデルは、分子毎に決まるものではなく、力が掛かり合っている2つの分子によって決まるものです。分子の種類が多くなると、プログラミングは非常に煩雑となります。そこで、Molecula Numericaでは、C++のもつメタ・プログラミング機能とオブジェクト志向を用いて、新たな分子を追加しても、メンテナンスしやすく、工数も少なくて済む様に設計されています。その詳細は、日本コンピュータ化学会の論文誌で報告されています。またソフトウェアもVector Inc.からも、本サイトからもダウンロードすることが出来ます。機能がまだ未完成なので使い勝っては良くないかもしれませんが是非使って実際に見る事の出来ない極微の世界を楽しんでください。

 

 

 


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