wxWidgetsのインストールは多くの場合は簡単です。Windows環境では、Visual Studio用のファイルが用意されており、所望のライブラリを作成することが出来ます。また、多くのLinux環境では、プレインストールされています。MacOS Xでも実はシステムにインストール済み(10.5で確認)ですが、古いバージョンでした。2012年10月現在、wxWidgetsは2.9がリリースされていますが、既に十分に枯れた2.8もまだ実用になります。
wxWidgetsのサイトからwxMac-2.8.12などのソースコードアーカイブをダウンロードします。そして、それを適当な場所に展開します。UNIX系のシステムではwxWidgetsはconfigureスクリプトでMakefileを自動生成します。MacOS Xでも同様です。
展開したディレクトリ内部にライブラリを作成するためのワーキングディレクトリを作成します。例えば、unicode-release のようなディレクトリを作成します。そしてそのカレントディレクトリをunicode-releaseに移し、
../configure --with-mac --with-opengl --disable-shared --enable-unicode --disable-debug
などのように適当な引数を設定してconfigureスクリプトに渡します。ちなみに、
../configure --help
とすると、設定可能な引数を表示させることが出来ます。上記の引数の意味は、Carbonベース、OpenGLを使う、Static Libraryにする、内部のテキストをユニコードを用いる、リリースコード(デバッグ用シンボルがない、最適化されている)指定、という意味になります。
Makefileがエラー無く作成されたら、コマンドラインで、
make
make install
で、/usr/local/以下にインストールされます。prefixを別にしたい場合は、configure時に指定してください。make時だと失敗します。
以上で、インストール編は終了です。unicode-release/sampleディレクトリには様々なサンプルファイルが存在します。適当なディレクトリに移り、
make
とすればアプリケーションが作成されますので、それを立ち上げて確認してみてください。サンプルアプリの立ち上げ方は、Linuxではコマンドラインで、
./demo
ですが、
MacOS Xの場合は、
open demo.app
となります。