Electro Magnetica Numerica

昨今、スマートフォンのみならず、活動量計など様々な電子機器デバイスが開発され活用されています。その端末同士は無線通信で行われており、ますますアンテナの役割が大きくなってきています。しかしながら、従来の八木アンテナのような空中にあるアンテナとは異なり、PCB基板上に存在するアンテナはかなり制約が大きくなっています。PCB上にアンテナがあることから、回路への影響も無視できないところです。

このような複雑な問題に対し、電磁波の挙動を基礎方程式から解析する、電磁場シミュレータは大きな助けとなってくれるはずです。我々はこの考えを基にElectro Magnetica Numericaを開発いたしました。

CADデータから複雑な形状を読み込み、完全自動で非構造格子を生成し、FD-TD法の計算スキームであるLeap-Frog法により、非常に少ないメモリで解析を可能とするElectro Magneticaによる解析例をご紹介いたします。

ヘリックスアンテナからの放射の様子をシミュレートしました。

ヘリックスアンテナのシミュレーションは一般的なFDTD法による解析ではかなりコンピュータリソースが必要となる問題です。細い線状の導線が渦巻き状態になっている構造を十分に解像するためには、細かい格子が必要となります。そのため、一般的なFDTD法を用いた多くのソフトウェアでは大変難しい問題の一つとなっています。

Electro-Magnetica Numerica version 1.4.8を用いてリゾネーター(誘電体球)の数値解析を行い、また別途解析解との比較を行い、シミュレータの検証を行いました。その結果、解析解と数値解は非常に良く一致しており、またメッシュの細分化(格子生成レベル値の増加)に伴い、精度も上昇する様子が確認されました。レポートは、TR-HA-023 (html),(pdf)に公開されております。

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TEMモードのマイクロ波を印加された同軸導波管に接続された円形グランド板付きモノポールアンテナからの電磁波放射の様子を、Electro-Magnetica v.1.5.0でシミュレーションしました。

このモデルに関して鍵となるのは、TEMモードでの電磁波印加と、入力信号と出力信号の分離(Sパラメータ導出のため)、そして同軸導波管から出ていく信号を数値的にアッテネート(無反射境界)することです。EM v.1.5.0からこの入力モデルが新たに信号入力に追加されました。

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Electro Magneticaは、完全導体の形状や物質の形状を作成するために、一応 基本的な形状を用いて目的の形状を作成できるような機能を備えております。 しかしながら、実用的な複雑な形状を用いようとするならば、形状作成のため の3D CADツールを用いる方が効率的です。EMはStereo Lighography Data、通 称、STLと呼ばれている表面データフォーマットと、表面データを三角形要素 で書き出したDXFフォーマットを読み込むことが出来ます。

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