熱伝導方程式(Heat Equation)は、

$$ \rho C_p \frac{\partial T}{\partial t} + \nabla \cdot \kappa \nabla T + \nabla \cdot \vec{P} = Q, \label{eq:heat} \tag{19}$$

で表される。ここで、$T, \rho, C_p, \kappa, Q, \vec{P}$はそれぞれ、温度、質量密度、比熱、熱伝導係数、発熱量、熱流である。

渦電流による発熱は、$Q$としてあらわれ、鍋の表面から空気中に放射及び熱伝達する効果は、熱流として表される。 式(5)-(8)などの準静的磁場方程式、ここにあらためて表記すると、

$$ \nabla \times \frac{1}{\mu} \vec{B} = \sigma \vec{E} + \vec{J}_s, \\ \frac{\partial \vec{B} }{\partial t} + \nabla \times E = 0, \\ \nabla \cdot \vec{B} = 0 , \\ \nabla \cdot \vec{J} = 0,$$

ここで、オームの式より、ジュール熱は、

$$ Q_J = |\vec{J}|^2 / \sigma,\tag{20}$$

となる。 また、熱のやり取りには、熱流$\vec{P}$として、輻射熱、熱伝達がある。 輻射熱は、シュテファン=ボルツマンの方程式として記述される。 背景温度$T_a$内にある温度$T_s$の物質から放出される熱輻射エネルギー束は、

$$ \vec{P}_{sb} = \sigma_{sb} \epsilon_{} ( T_s^4 - T_a^4)\ \vec{n}, \tag{21}$$

で表される。 ここで、$\sigma_{sb}, \epsilon$は、それぞれシュテファン=ボルツマン係数、放射率(Emittivity)である。 また、$\vec{n}$は接する面の法線である。 また、2つの温度の異なる物質が接している面では、熱そのものが交換される。 今ここでは、この系の空間には、空気が満たされているとして、誘導電流で加熱される領域と空気が接触しているとして、その熱伝達係数を$h$とすると、

$$ \vec{P}_t = h ( T_s - T_a )\ \vec{n},\tag{22}$$

本来ならば、この量は然るべき空気の熱流体方程式系を錬成させるべきであるが、ここでは簡略化し、この式を用いる。 また、この値は周りの流体の固有的な値として扱われる。 同じ流体でも、どの様な流れかと言うことにも大きく影響されるようである。 さて、これらの方程式から、式(\ref{eq:heat})を元に、弱形式を導く。 試験関数$w$を掛け、領域で積分すると次式を得る。

$$ \int_v \rho C_p \frac{\partial T}{\partial t} w \ dv + \int_v \nabla w \cdot \kappa \nabla T \ dv + \int_s w h ( T - T_a ) \ dS + \int_s w \sigma_{sb} \epsilon ( T^4 - T_a^4 ) \ dS = \int_v w \frac{|\nabla \times \vec{H} |^2}{\sigma}.\tag{23}$$

 

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